- プログラム意味論の基礎 (ライブラリ情報学コア・テキスト 11) / 小林 直樹,住井 英二郎
- ソラリス (ハヤカワ文庫SF) / スタニスワフ・レム
- その可能性はすでに考えた (講談社文庫 い 144-1) / 井上真偽
- 十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫 あ 52-14) / 綾辻 行人
- 世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法 / ピョートル・フェリークス・グジバ
- オイディプス症候群 (創元推理文庫) / 笠井 潔
- ドメイン駆動設計入門 ボトムアップでわかる! ドメイン駆動設計の基本 / 成瀬 允宣
- 新装版 殺戮にいたる病 (講談社文庫 あ 54-14) / 我孫子 武丸
今回は、個人的な気に入り度を5段階でつけてみました。 「おすすめ度」にしようと思ったのですが、誰にオススメするかで結果は変わってくるので完全に自分がどれぐらい気に入ったかだけを書きました。
プログラム意味論の基礎 (ライブラリ情報学コア・テキスト 11) / 小林 直樹,住井 英二郎
気に入り度★★★★☆
参考文献や演習問題の解答をのぞいて94ページというコンパクトな本です。
もちろんあまり噛み砕いた説明がないので難しかったです。
ところどころ何をどう理解したらいいのかわからない箇所が出てくるのでそこら辺は読み飛ばしています。
ラムダ計算のところはパズルっぽくて楽しかったです。
楽しんでいる様子はこちら。↓
ソラリス (ハヤカワ文庫SF) / スタニスワフ・レム
気に入り度★★★★★
SF古典名作を読みたいと思って読みました。
ソラリスは惑星の名前で、惑星全体を覆う灰色の粘性のある海がそれ自体が一つの知的生命体らしい、という設定です。
ソラリスの何らかの仕組みによって、惑星にやってきた人物一人一人対して、彼らに関わりの深い人間がなぜか実体として現れます。
その「お客さん」との関わり合いを通して、「翻訳」の概念すら成立しないような「海」との対話?が描かれています。
巻末の解説には、その「お客さん」との関わり合いのところが切ないラブストーリーとして解釈されてSF以外の文脈から有名になったけど作者はそれをメインテーマとは据えていないんですよ〜的なことが書かれていました。
確かにメインテーマは「愛」ではないと思いましたね。まぁ小説の解釈に正しいも間違いもないと思いますが…
その可能性はすでに考えた (講談社文庫 い 144-1) / 井上真偽
気に入り度★★☆☆☆
十年前に起きた凄惨な事件の中で依頼者の身に起きたある出来事が「奇蹟」であることを証明するために、主人公の探偵が考えうるあらゆる可能性に反証する、という内容です。
あらすじを読んでワクワクしながら買って読み始めたのですが、個人的にはあまりにもラノベすぎて「う〜〜〜〜ん…」という感じでした。
各登場人物のいでたちや言動が、中学生のオタクが考えたみたいなファッション(青髪とかオッドアイとか)で、決め台詞や特徴的な語尾とか、あんまり関係ないところが嘘くさすぎてそのせいで全部嘘っぽいんですよね。
小説なので全部嘘なのは当然ですが、主人公に挑み掛かる敵キャラが叩きつける「こういったトリックであればその『奇蹟』が起こせる」という解決法も実現性の怪しい大掛かりなピタゴラ装置でいかにもフィクションって感じが目立ちます。
そのくせ主人公が繰り出す反証は異常に細かい矛盾を突くというスタイルなので、まぁそれが端的で鮮やかと言えばそうなのかもしれませんが、何だかな〜〜〜と思いました。
ドラマのTRICKは何周もするぐらい大好きなんですけどね。
十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫 あ 52-14) / 綾辻 行人
気に入り度★★★★☆
これは後で挙げるオイディプス症候群を読む前の勉強として読んだものです。
それでいうと、孤島モノ・館モノの予習として一番最初に「そして誰もいなくなった(アガサ・クリスティー)」を読んでいましたね。
その次に読んだのがこれです。
一度は読んでおかないといけない感がありますね。満足。
世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法 / ピョートル・フェリークス・グジバ
気に入り度★★☆☆☆
会社で輪読会をした。そこかしこから自己啓発臭がするため、同僚と色々ツッコミながら読みました。
オイディプス症候群 (創元推理文庫) / 笠井 潔
気に入り度★★★★★
矢吹駆シリーズ第5作目です。
モデルとなる哲学者はミシェル・フーコーです。
見えない権力とそこからの逸脱者の扱い、また同性愛がたびたびテーマになります。
そこにエーゲ海に浮かぶミノタウロス島に建てられたダイダロス館に閉じ込められた10人の男女、という属性モリモリの舞台設定です。
ギリシャ神話をモチーフとした殺人はシリーズ第2作目の「サマー・アポカリプス」のようでワクワクしますね。解説曰く同じぐらいの時期にテーマとしては考えられていたようです。なるほど。
延々と議論されるギリシャ神話の蘊蓄はダ・ヴィンチ・コードみたいで大満足です。(前回の感想でも言ってた)
とはいえ本筋は連続殺人事件との戦いなので、哲学談義やギリシャ神話の蘊蓄パートは「脇道」っぽく感じるところもなくはないですね。
また、1000ページ近い分量のうち、序盤(舞台が出来上がるまで)がやや長いかもなぁと思いました。
その分終盤の畳み掛けは凄いです。やっぱり探偵ものはこうでなくちゃね。
ドメイン駆動設計入門 ボトムアップでわかる! ドメイン駆動設計の基本 / 成瀬 允宣
気に入り度★★★★☆
会社で輪読会をしました。
オブジェクト指向が大体わかったあたりで読むとちょうど良い入門になりそうです。
DDDそのものというよりはDDDの入り口に立つための入門書、という感じです。
2冊目は何にしようかな〜〜
気になる点は、ところどころ説教臭い文章があるところですかね。
新装版 殺戮にいたる病 (講談社文庫 あ 54-14) / 我孫子 武丸
気に入り度★★★★★
あらすじにはミステリーと書いてあるけど本当か…?と思いながら読んでたらラストでぶったまげました。
犯人、身近な人を殺された元刑事、息子が犯人ではないかと疑う母親、という3つの視点で、最初の殺人からラストシーンまで時系列に語られます。
なので犯人の動向が最初から全部説明されます。
女性をターゲットにした猟奇殺人なのでかなりグロく、目を背けたくなるような描写も出てきますが、本書の凄いのが、犯人の倒錯した思考も含め、なんかわかるような気がしてしまうのです。
息子が犯人ではないかと徐々に気づき始めてしまう母親の心理描写も、気づきたくないけど気づいてしまう、嘘だと思いたいけど自分を誤魔化せなくなってくる、という誰しもが自分の中にあるイヤ〜な感情を直接突っつかれるような感じで、ハラハラさせられます。
巻末の解説は笠井 潔さんでした。知らずに書いましたが、なんか自分の趣味というのはどこかで繋がっているんだなぁ〜と思いました。