まえがき
定期的に TeX で数式を書きたくなりませんか?ねぇ
というわけでただ式を書きたいだけの記事です。
目次
- まえがき
- 目次
- 前提
- f(x) = xn (n は自然数)の微分
- f(x) = x-n (n は自然数)の微分
- f(x) = x1/n (n は自然数)の微分
- f(x) = x-1/n (n は自然数)の微分
- f(x) = xm/n (n, m は自然数)の微分
- f(x) = x-m/n (n, m は自然数)の微分
- まとめ
前提
微分の定義はこれだということにして進めます。
イプシロン・デルタ論法は雰囲気しかわからないのでノータッチです。
ある x での値 f(x) とそこから h だけずらした場所での値 f(x + h) との比を見れば変化率がわかるから、あとはそのずらす量をどんどん小さくしてやればある x での変化率つまり接線の傾きがわかるという話です。
ベキ関数の微分の公式といえばこれですよね
これって、 n が整数の時しか証明みたいなことをしていなくても、有理数だとノリで一つ下がった次数が計算できてしまいますよね。
なので、そのあたりがちゃんと(高校数学の範囲で)導けるのかを確かめます。
f(x) = xn (n は自然数)の微分
まずは n が自然数のときを考えます。
具体例 f(x) = x2 のとき
まずは具体例から考えます。
定義に突っ込むだけです。
となって最後の行の式では h をひたすら 0 に近づけてもただ h が含まれた項が 0 に向かうだけで何も変なことは起きないので、
となります。
一般形
先ほどと同じく定義に突っ込んで計算していきます。 (x + h)n を展開しないといけないですが、そこは二項定理を使えば良いですよね。
これでOKですね。
f(x) = x-n (n は自然数)の微分
冪乗の肩に乗る数字の範囲を少しずつ広げていきます。
まずはマイナス乗はどうなるのって話です。
具体例 f(x) = x-2 のとき
愚直に定義に代入して計算します。
分母を揃えれば、分子には先程の x2 の微分の形が出てるので、それを流用できそうだとわかります。
また、極限を取る操作についても特にややこしいことは起きない(今の式で単に h = 0 とおいた形にしかならない)ですね。
どうということはないですね。
一般形
後々の話の都合上、先に x0 の微分を考えます。
定義に代入すればすぐわかります。
0 です。
では、本筋に戻って一般形も同じように n が自然数のときの結果を流用しつつ計算できます。
丁寧に書くとこうなります。(丁寧なので)長いですが、難しいことは何もやっていないです。
ここで、 を改めて と置き直してやれば、
のように、n が自然数のときと同じ形に書けることがわかります。
要するに同じ式でカバーできる範囲が広がったわけです。
(n が 0 のときは代入してみればすぐわかります)
f(x) = x1/n (n は自然数)の微分
さらに、 冪乗の肩に乗る数が分数になるとどうなるかを考えます。
具体例 f(x) = x1/2 のとき
これも定義から計算していきます。
もともと分母にあった h を消去するためには分子にも同じ形が必要なので、有理化の逆みたいなことをすればすぐですね。
一般形
同じような発想で一般形もやってしまいます。
後々のために、以下のような式変形を考えます。
n が 2, 3, 4, 5ぐらいを手計算で試すと規則性がわかると思いますが、具体的にはこう書けます。
その上で、x を x1/n 、y を y1/n として代入すれば
さらに x を x + h、y を x とおいてやって、微分の定義の分母に出てくる h とキャンセルさせてやろうという魂胆です。
というわけでまた定義から微分の公式を導きます。
ここで、先程の指数を負の整数に拡張した時のように を改めて と置き直してやれば、
と、n が整数のときと同じ形に書けます。
f(x) = x-1/n (n は自然数)の微分
今の指数が分数のときも同じように n が負の場合に拡張します。
分母を揃えれば分子にさっき使った形が出てくるのでそのまま使えば良いわけです。
一般形
いきなり一般形でやっても良いでしょう。
例の如く を改めて と置き直してやれば、
となります。
f(x) = xm/n (n, m は自然数)の微分
最後に指数が分数でなおかつ分子が1以外の場合を考えます。
具体例 f(x) = x2/n のとき
n は 0 ではない自然数とします。
分割して積の微分を使えばいいと思います。
楽ですね。
一般形
n と m は 0 でない自然数とします。(m は 0 でもいいですが、それだとさっきやった 0 乗のパターンにしかならないので省きます。)
今のやり方は一般の場合にもすぐ拡張できますね。
例の如く を改めて と置き直してやれば、
となります。
もしくはさっきのこれ
をどうしても使いたい場合は x を x1/n 、y を y1/n のように置き直してやって
という式を作ってやれば m が 1 だったときと同じような式変形を流用できるので、
一応できますね。
f(x) = x-m/n (n, m は自然数)の微分
これも負になった場合を考えます。
一般形
n > m として、 i = n - m, j = nm とします。
分解した項はどちらも既に計算できるので、
となります。
例の如く を改めて と置き直してやれば、
となります。
これも積の微分使わずに頑張りたい場合は
ってやればいいですね。
多分これで冪乗の指数が有理数の場合はなんでも微分の公式を使ってもいい、ってことになったと思います。 無理数はよくわかんないので、対数微分でも使えばいいんですかね?(適当)
めでたしめでたし。
まとめ
後半の積の微分使ってるところはなんかガチ勢が見たら論理に欠陥があるとか言われそうな気がする。